コラムcolumn

歯のメインテナンスで健康寿命が延びる!

お口の健康と健康寿命、一見あまり関係がないように感じられますが、最近では「予防歯科への通院が健康寿命をのばす上で大切」ということが分かっています。

予防歯科で健康寿命が延びる理由

自分の歯で食事ができるから!

健康であり続けるためには、高齢になっても栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。そのためには、できるだけ多くの歯を残し、自分の歯で食べ物を噛めることで、食物繊維やタンパク質といった健康維持に必要な栄養素を十分に摂取できます。これが入れ歯やブリッジのような人工の歯だと、固い食べ物を噛み砕くことが難しくなり、結果として食生活が制限されることになります。

歯を失うと、どうしても軟らかい食べ物を中心にした食生活になりがちです。例えば、ごはんやパンといった炭水化物が主な食事となると、栄養が偏り、必要な栄養素であるタンパク質や食物繊維の摂取が不足します。その結果、身体の機能が徐々に低下し、筋力や体力の衰えに繋がることがあります。このような状態が進行すると、日常生活を自分で送ることが難しくなり、最終的には介護が必要となるリスクが高まります。

さらに、自分の歯でしっかりと噛むことは、栄養摂取だけでなく、顔や顎の筋肉を鍛える効果もあります。噛む動作によって顔周りの筋肉が活性化されるため、顔が引き締まり、見た目の若々しさを保つことができます。高齢になっても健康な歯を維持することで、人と会う楽しみや外出の機会が増え、社会的な活動を続けることができます。

このように、歯の健康を保つことは、単に食事を楽しむためだけでなく、全身の健康維持や生活の質の向上にも大きく寄与します。したがって、定期的な歯科検診や適切な歯のケアを怠らず、できる限り自分の歯を残すことが、将来の健康と幸福につながる大切な要素であると言えます。

歯周病の予防が全身の健康につながるから!

予防歯科は、単に口内環境を良好に保つだけでなく、全身の健康維持にも大きく貢献します。日本人の約8割が感染しているとされる歯周病は、全身に影響を及ぼす病気の一因となるため、適切な予防と治療が重要です。

歯周病は「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、痛みや不快感などの自覚症状がほとんどないまま進行します。そのため、気づかないうちに歯を支える骨が破壊され、最終的には歯がグラグラと揺れたり、抜け落ちたりする恐れがあります。これは非常に恐ろしい病気であり、症状が進行してからでは回復が難しくなることが多いです。

特に定期的な歯科メインテナンスを受けていない方は、歯周病の進行に気づかずに過ごしてしまうことが多く、その結果、歯を失う確率が高くなります。さらに、歯周病の原因菌は、歯茎や口腔内だけでなく、血流に乗って全身に広がる可能性があります。この細菌が全身の臓器や血管に悪影響を及ぼすことで、心臓疾患や糖尿病、さらには脳卒中といった全身疾患を引き起こすリスクが増大します。

したがって、定期的な歯の検診を受けることは、口腔内の健康を守るだけでなく、全身の健康リスクを軽減するためにも非常に有効です。歯周病や虫歯の早期発見・治療により、健康な歯と体を維持することができ、将来の病気のリスクを減らすことが可能です。

予防歯科とは口の中の病気が悪化しないように検査と治療を行うことです。歯周病は認知症、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞にも関係すると言われています。いつまでも美味しい食事や趣味を楽しむためにも、予防歯科で歯の健康を維持しましょう。